1.成長への模索

DVD特別仕入、リサイクル部門の強化
レンタル部門では、いよいよビデオからDVDへの切替えが加速度的に進み、当社でもDVDの特別仕入を行うなど、ビデオからDVDへの切替を進め、2005年に売上で、初めてビデオとDVDが逆転しました。

店長と残業手当
2004年11月橿原神宮店に労働基準監督署の調査があり、店長に残業時間に見合った残業代を支払うよう指摘を受けました。
そこで、これを契機に三洋堂書店では、大和店だけではなく全店の店長へ残業代を支払うことを決めました。
しかし「店長はそんなに残業していないだろう」という安直な推測と軽いノリで残業手当支給に踏み切った結果、思いもよらぬ人件費急増に直面し、残業手当支給分の一部を賞与と相殺するという、苦肉の策を弄する羽目に陥りました。この悪しき調整は2007年まで続き、2008年にやっと解消されました。
このときの「店長に残業手当を支給しないのは不当」という指摘が、2007年に社会問題となった「名ばかり管理職」ですが、三洋堂書店は、既に「店長に残業手当を支給するよう改めた会社」の事例として、NHKのクローズアップ現代やNHKスペシャルで取材を受け、一般に紹介されることとなりました。

2.パブリックカンパニーを目指して

人事交流
2004年より、他社との人事交流として三洋堂書店から滋賀県のダイレクトショップ様に伊藤勇さん(04年)、愛知県の精文館書店様に神谷毅さん(05年)、鈴木春徳さん(06年)が出向しました。精文館書店様からは、鈴木昌人さん(05年)、平野貴嗣さん(06年)が三洋堂書店に出向しました。異なる社風に触れることで、出向者本人だけではなく、受入側も様々な刺激を受ける事ができました。

公開準備着々と
2005年2月にホームページの刷新、3月株式公開PJTキックオフ、3月と7月の第三者割当による増資、3月31日決算期変更、5月中期経営計画の策定、9月新本部の竣工と、目前に迫った株式の公開にむけての準備に追われました。

名古屋市瑞穂区新開町へ本部移転 
2005年9月12日に現在の名古屋市瑞穂区新開町に新本部が完成し、本部の全部署が引越ししました。そして22日に社員、お取引先様をお招きして社員総会を兼ねた竣工式を開催しました。竣工式ではトーハン小林社長にご祝辞をいただきました。
この物件は、当初は、店舗用地として検討していましたが、本部の家賃負担軽減を考え、新開橋店の上に本部事務所を乗せることになったものです。新開橋店は23日にオープンしました。

鳥居松事件、大田川店放火事件
2005年に引き続き、2006年2月内部通報者制度スタート、6月プライバシーマーク取得、7月三洋堂書店倫理憲章の制定とパブリックカンパニーとしての体制整備を急ピッチで進めました。
そうしたなか、1月に鳥居松店のアルバイトスタッフが、お客さまの個人情報を悪用し逮捕されました。
また6月には大田川店での放火騒動があり、同一犯人による放火で近隣雑貨店「ブルドック」の2階が全焼しましたが、当社は金村店長の迅速な対応によりことなきを得ました。

事件概要(社内報425号より)
2006年1月29日、鳥居松店のアルバイト従業員が、個人情報を悪用した脅迫事件を起こし、警察に逮捕されるという事件が発生いたしました。
三洋堂書店としましては、個人情報の保護について体制や仕組みを作り上げ、情報漏洩の無いように取組んできました。しかし、悪意を持って個人情報を取得しようとした者を防ぐことができず、被害に遭われたお客様には大変申し訳ないと思っております。報道以上のことは判りませんが、その報道によれば、被害者の方のほかに20名余のお客様の電話番号も控えていたとのことで、他にも余罪が出てくるかも知れません。今回、お客様の電話番号を不正に取得し、しかもそれを悪用したとの容疑で、三洋堂書店のアルバイト従業員が逮捕される事件を引き起こしたことに対して、大変申し訳ないと思っておりますし、同時に二度とこのようなことが起きないようにすぐに対策を打たなければならないと思っております。

ケータイメール配信サービス
2006年2月にレンタル会員向けのケータイメールサービスをスタートしました。ケータイ会員向けのセール情報を配信するなど、積極的な施策を続けています。会員数も2007年3月末で約3万人、翌2008年度末は約12万人(入会率17.1%)、2009年度末は約16万人(入会率22.7%)と、順調に増加しています。

インテリジェント発注
2006年4月に「暮らし婦人」「児童書(一部)」分野からインテリジェント発注を開始しました。インテリジェント発注は、売れたものと同じ商品ではなく、売れたカテゴリーの中で優先順位が高い商品を自動的に発注する仕組みです。カテゴリー単位で任命を受けたカテゴリーディレクター(現在は店長が主)が全店の棚商品の優先順位を決定します。インテリジェント発注分野は徐々に広がり、棚の商品の管理レベルが高まりました。

三洋堂書店専用有線放送
2005年8月から、駐車場を備えた61店舗に「三洋堂書店専用有線放送」を開始しました。
愛知県のみならず各地方自治体でも一定規模以上の駐車場の管理者にアイドリングストップの周知義務を課したことも有り、また多くの店舗で身体障害者用駐車場が一般健常者に占有されているとの苦情を沢山いただいたことも導入のきっかけでした。現在では、この専用有線放送を販売促進やサービス向上にも活用しています。

3.JASDAQ市場へ株式公開

2006年3月決算で売上高247億円、経常利益513百万円、当期純利益339百万となった三洋堂書店は、この決算をもって2006年8月1日にJASDAQに株式上場申請を行いました。
10月から始まった機関投資家へのロードショーでは28の機関投資家から個別ミーティングのオファーがあり、まずまずの関心を呼びました。

JASDAQ市場へ上場 初値1,699円
2006年11月1日、多くの関係者のご協力で、当社の長年の夢でありました株式公開が実現し、ジャスダック証券取引所に上場することができました。
初値は1,699円で、公募価格の1,600円を上回ることができました。
その後2007年に入り三洋堂書店の株価は急落し、11月には631円という最安値を付け、市場からの厳しい評価をいただきました。