1.公開後初の株主総会

2007年6月27日に上場後初めての株主総会が開催されました。午前10時から開始された株主総会は、約40名強の株主様の出席のもと、約1時間行われました。
上場後初値1,699円から、市況全般の悪化にも引きずられ当社株価は下落し、株主総会時には、約800円から900円を行き来する状態にありました。これを受け株主からは厳しい質問も出ました。

2.新業態開発への取組み進む

続々と新売場を導入
急速な市場の縮小が懸念されていたパッケージメディアであるCD,DVDに代わる商材の導入開発が検討されてきましたが、2008年にはコミックレンタル、玩具、駄菓子、雑貨などの「キッズタウン」、中古本の「ふるほんタウン」と、新たな商材、売場の導入が一気に開始されました。

レンタルコミック
2007年2月、レンタルコミックの貸与権ルールが確立しました。これを受け、三洋堂書店では2008年2月、清洲店にレンタルコッミク1号店を開店、2008年度末には22店舗へと、新たな商材として積極的に導入されることになりました。
30代、40代の女性、10代の男性に特に好評で、あらたな客層の開拓につながりました。

キッズタウン
本とおもちゃ、お菓子、CD,DVDなど子供たちが親と来て楽しめる売場をコンセプトに新開橋店に50坪で導入されました。
そのなかのおもちゃ売場は、幼児玩具、知育玩具、低価格の幼児・児童向け商品を中心に品ぞろえがされました。また駄菓子、駄玩具のコーナーもキッズタウンとして取り込まれました。

ふるほんタウン
一方、これまで新本書店業界では一種タブー視されてきた中古本取り扱いでしたが、10月に乙川店に「ふるほんタウン」が導入されました。
新本と中古本の返品混在防止のため、買上時にインストアコードをその場で貼付する、廃棄本についてはその場でカバーをはずし専用ケースに収納して廃棄処理する方法をとりました。

営業本部制導入、そして次代へ
またこの年大幅な組織改組が行われました。新たに営業本部を設け、日立コンシューマ・マーケティングより竹林由夫氏を取締役として招聘し、副社長営業本部長として営業の陣頭指揮をとっていただくこととなりました。

2000年代にはいり、インターネットによるデジタル化、ブロードバンド化の波は、あきらかに本、CD、DVDといったパッケージメディアを凋落させ、これらの商材を扱ってきた書店業界、また当社のビジネスモデルに変革を強く求めました。
2000年に加藤和裕社長の就任をもって始まった三洋堂書店の10年間は、時代の流れにどう乗っていくのか悪戦苦闘の10年となりました。その中で次代の財務戦略の要となる株式公開を実現し、次代につながる新業態の開発に着手することで、次の10年への期待をつなげました。

3. 2009年1月 年頭所感 

2009年1月元旦
株式会社三洋堂書店
代表取締役最高執行役員 加藤和裕

昨年2008年12月21日、三洋堂書店は設立30周年を迎えました。そして、明後日の2009年1月3日は創立50周年を迎えます。ちょうど今から50年前の1959年正月、加藤一・まさ子夫婦が、名古屋市昭和区花見通に売場15坪の杁中三洋堂を開店しました。その年の9月には、伊勢湾台風が名古屋を襲い5,099名の死者・行方不明者を出した年でもありました。木造の住居併設木造店舗は大雨と暴風に軋み、とても怖かったという話を、長女睦美から聴いた覚えがあります。
それから20年後の1978年12月21日、加藤一・まさ子は㈱三洋堂書店を設立します。
なぜ、三洋堂書店を設立したのでしょうか? それは「社員に株を持たせたい」「将来は株式を上場したい」という加藤一のビジョンを、加藤まさ子が「営業会社設立」という形で具現化したからです。翌年の1979年1月には、念願の社員持株会である「一二三会」が設立されています。
杁中の地に創業して20年、店舗は勝川店・東郷店・高蔵寺店・刈谷店・いりなか店の5店舗、年商10億円にも満たない地方書店が、家業から企業へ脱皮しようと決意したのが、この1978年でした。
10年後の1988年、加藤宏が副社長に就任します。ペガサスクラブに加盟し、それまでの独立採算制による支店経営から180度舵を切りチェーンストアを目指します。
1990年、経営理念、社是、社訓を明文化し、中期経営計画を策定しました。1992年からは店舗運営基準書「San-gram」が生まれチェーンオペレーションが根付き始めました。
1996年には創業者加藤一・まさ子が引退し、加藤宏が社長に就任。2000年からは加藤和裕がその遺志を継ぎ、2006年11月にはJASDAQ証券取引所に株式上場しました。
さて、創立50周年の節目の年である2009年は未曾有の経済危機、世界恐慌の様相を呈しています。
このような環境を乗り越えて、三洋堂書店は10年後、どんな創業60周年を迎えられるのでしょう?。10年後の2019年には、CDはこの世にあるのでしょうか?。DVDレンタルという商売は残っているでしょうか?。
我々が依拠する原点は、経営理念=ミッション(使命)です。
「より多くの人々が待ち望む三洋堂をつくろう そして人間形成に寄与することを通じて より良い社会を実現しよう」
より多くの人々がCDやDVDを望まなくなっても、それら以外で待ち望まれる人間形成に寄与する様々な商品・サービスを提供することによって、三洋堂書店は存在し、社会的機能の一端を担います。
人々が待ち望むものは、日々変化しています。その変化に即応して自らを変えていくことができれば、三洋堂書店は存続し成長発展していけます。
家業から支店経営へ、書店から複合書店へ、支店経営からチェーンストアへ、未公開企業から上場企業へ、この50年間に大きな転換を幾つも果たしてきたからこそ、今ここに三洋堂書店は有ります。
2019年には、その、今ここの三洋堂書店とすっかり違った姿で創立60周年を迎えようではありませんか。
新たな50年に踏み出す元年として、今年が私達にとってイノベーションの先魁となる年となりますように。